乗用車ベースのクロスオーバーSUVの人気に勢いがある昨今ですが、スタイルでもなく、速さでもなく「どんな過酷な条件下でも目的地まで確実にたどり着く」という初代から変わらぬコンセプトのもと、特に中近東の砂漠エリアや荒野の広がる北米などから絶大な信頼を得ている本格派クロスカントリー4WDの王者が「トヨタ・ランドクルーザー」です。現在はプレミアムSUVとしても人気が高く、ドバイでは世界のスーパーカーとならび王族が愛するクルマとしても有名ではないでしょうか。クロスカントリー4WDの性能とプレミアムSUVをミックスし、現在のランドクルーザーの礎を築いたのが、1980(昭和55)年に登場した60系です。無骨なジープをイメージする独立フェンダーを廃止し、パワステやATを初めて搭載するなど、ステーションワゴンとしての立ち位置を確立。エンジンも直列4気筒から直列6気筒に軸を移し、性能を向上させたガソリン/ディーゼルをラインアップしたことで、「静粛性と乗り心地を兼ね備えた四輪駆動車」としてイメージを一新。日本国内にとどまらず、世界中で大ヒットし、「いつかはロクマル」とクロカンファンの間で語られる憧れの存在となりました。年式やグレード別に、丸目/角目ヘッドライト/ハイルーフ、ロールーフ、リアゲートの観音開き/上下開き、オーバーフェンダーの有無など、クロスカントリー&高級化ブームもあり、1990(平成2)年の生産終了までに多彩なボディバリエーションが用意されたのも特徴です。また、ドレスアップやカスタマイズのニーズが高まったのも60系からで、アフターマーケットの活性化にも貢献しました。今回リリースされるのはシンプル&スマートな丸目のスタイリングと観音開きのリアゲートを持つ最初期型です。ランドクルーザーの転機となった60系、後継モデルの顔面スワップキットが発売されるなど、登場から40年が経過した今でも愛好家が多く存在する普遍の人気モデルなのです。
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