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1970～1990年前半までWRC（世界ラリー選手権）における盟主といえば、間違いなく「ランチア」でした。とくにトップカテゴリーが市販車ベースのグループAマシン（ベース車両は同一仕様で5000台以上生産が必要）で争うこととなった1987年に登場。1992年までいまだ破られていないマニュファクチャラーズ（製造メーカー）タイトル6連覇をランチアにもたらしたデルタはWRC史上に残る傑作で、コンパクトな車体（5ドアハッチバック）に強力な２ℓターボエンジン、そしてフルタイム４WDというその後、グループAカテゴリーの主流となるパッケージをラリーに持ち込んだ先駆者でもありました。また、ベース車両の性能が勝利に直結するため、毎年のように手が加えられたエボリューションモデルが登場。モータースポーツマシンを身近に感じられるモデルとして、今なお熱狂的なファンが存在する名車です。HF 4WDはそのファーストモデルであり、1987年のWRCで11戦中8つのイベントを制し、目標であった初参戦初制覇を成し遂げています。モデル化されたゼッケン6番のデルタは第1戦のモンテカルロラリーでデビューウインを飾ったミキ・ビアジオン／ティツィアーノ・ジビエロのマシンです。