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WRC（世界ラリー選手権）において6連覇という金字塔を成し遂げ、一時代を築いたランチア・デルタ。市販車ベースで争われた1987年～1996年までのグループAカテゴリーにおいて、ベース車両の素性が非常に重要で、各メーカーともラリーカーに必要となる要素を落とし込んだマシンを次々とリリースしていました。その先陣を切ったのがデルタで、WRCで活躍した1987年～1993年までの７年間でHF 4WD/HFインテグラーレ/HFインテグラーレ16V/HFインテグラーレ・エボルツィオーネ（デルトーナ）4タイプが存在します。2ℓターボ＋フルタイム４WDというグループAの最適解であるパッケージはすべてのモデルで共通ですが、HF４WDはシリーズで唯一ワイドフェンダーを持たないナローボディで、参戦初年度ゆえ、レギュレーションをフルに生かし切れているとはいえませんでした。ただ、ライバルと比べてパッケージに優れていたこともあり、1987年は11戦8勝とシリーズを席巻しています。第10戦の1000湖ラリーで優勝したゼッケン4番のHF 4WDは長年フィアット/ランチアで参戦し、無冠の帝王と呼ばれるマルク・アレン/イルカ・キビマキのマシン。この年は1000湖を含め、ポルトガル/アクロポリスを制し、3勝を記録しました。

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